こんにちは、やまなかです。
8月7日頃、カレンダーで「立秋(りっしゅう)」という文字を見かけることがあります。外へ出れば強い日差しが照りつけ、冷たい飲み物が手放せない頃。「どこが秋なんだろう」と首をかしげたくなるのも無理はありません。
立秋は、涼しくなったことを宣言する日ではなく、暑さの盛りを越えるなかで秋へ向かう最初の気配を見つける節目です。昼間は真夏でも、朝の風がわずかに乾いていたり、日が暮れる時刻が少し早くなっていたりします。季節が急に切り替わるのではなく、静かに向きを変える。その境目に名前をつけたのが立秋です。

立秋の基本情報
- 読み方
- りっしゅう
- 分類
- 二十四節気の第13番目
- 時期
- 8月7日頃。年によって8月8日になることもある
- 天文学上の目安
- 太陽黄経が135度になるとき
- 期間
- 立秋の日から、次の節気である処暑の前日まで
- 暦の上の意味
- 秋の始まり
立秋(りっしゅう)は二十四節気の第13番目で、太陽黄経が135度となる8月7日頃です。2026年の国立天文台の暦要項では、8月7日20時43分に立秋を迎えます。
二十四節気は、太陽の見かけ上の通り道である黄道を15度ずつに分け、1年に24の目印を置いたものです。春分を0度とすると、夏至は90度、大暑は120度、立秋は135度、秋分は180度。立秋は秋分よりも約1か月半前にあり、秋が深まった頃ではなく、その入口にあたります。
1年はちょうど365日ではないため、立秋の日付は年によって少し動きます。「8月7日の記念日」として固定されているわけではありません。予定に入れるときは、その年の暦を確認するのが確実です。
「秋が立つ」という名前の由来
「立つ」には、新しい季節が始まるという意味があります。立春、立夏、立秋、立冬をまとめて「四立(しりゅう)」と呼び、それぞれが春夏秋冬の始まりを示します。立秋は文字どおり、秋の気配が立ち始める頃です。
二十四節気は古代中国で生まれ、日本へ伝わりました。月の満ち欠けを基準にする暦では、暦の日付と実際の季節が少しずつずれるため、変化の少ない太陽の動きを農作業や暮らしの目安にしたのです。現在の日本では、太陽黄経が決められた角度になる瞬間によって各節気を定めています。
国立天文台は立秋を「秋の気配が感じられる」頃と説明しています。ここで大切なのは、「秋になった」と言い切るのではなく「気配」という言葉が使われていること。昔の人も、8月上旬が急に涼しくなると思っていたわけではなく、暑さの奥にある小さな変化を見ていたのでしょう。
なぜ真夏なのに「秋」なの?
現代の感覚では、8月は夏の真ん中です。気象学でも6月から8月を夏とするため、立秋とのずれはますます大きく感じられます。それでも暦の上では、立夏から立秋の前日までが夏、立秋から立冬の前日までが秋です。
季節の呼び方が違って見える理由を整理すると、次のようになります。
| 見方 | 立秋の頃の捉え方 | 目印 |
|---|---|---|
| 二十四節気 | 秋の始まり | 太陽黄経が135度になる |
| 気象学 | まだ夏 | 6月から8月を夏と区分する |
| 日々の体感 | 厳しい暑さが続く | 気温、湿度、地域によって異なる |
| 自然の変化 | 小さな秋が混じり始める | 風、夕暮れ、虫の声、草花など |
二十四節気は気温を測って季節を決める仕組みではなく、地球が太陽の周りをどこまで進んだかを示す目盛りです。だから猛暑日であっても、太陽の位置が135度になれば立秋を迎えます。「暦が現実と間違っている」のではなく、気温とは別の物差しを使っていると考えると納得しやすくなります。
立秋の頃に探したい、小さな変化
秋らしい紅葉や冷たい風を探すには、まだ早い時期です。立秋らしさは、はっきりした景色よりも、昨日とのわずかな違いに表れます。
- 夕方、暗くなるのが少し早くなった
- 朝晩の風に、昼間とは違う軽さを感じた
- ひぐらしや秋の虫の声が聞こえた
- 稲の穂が育ち、田んぼの色に変化が出てきた
- 空が高く見える日や、筋のような雲を見つけた
もちろん、すべてを同じ日に感じるわけではありません。南北に長い日本では地域差が大きく、都市部と山間部でも季節の進み方は違います。「立秋なのだから秋を見つけなければ」と頑張る必要もありません。帰宅時の空を一度見上げたり、朝の音に耳を澄ませたりするだけで十分です。
私は立秋という言葉を、真夏を否定せずに秋を待てるところがいいなと思っています。「まだ暑い」と「もう秋へ向かっている」は、どちらも本当です。二つの季節が重なる短い時間だと思うと、毎日の暑さにも少し違う表情が見えてきます。
七十二候では、風・蝉・霧を見つめる
二十四節気をさらに約5日ずつに分けた七十二候では、立秋の期間に次の三つの候が並びます。
- 涼風至(すずかぜいたる):涼しい風が立ち始める頃
- 寒蝉鳴(ひぐらしなく):ひぐらしが鳴き始める頃
- 蒙霧升降(ふかききりまとう):深い霧が立ちこめる頃
入道雲や強い日差しではなく、風の温度、蝉の声、朝の霧を挙げているのが印象的です。どれも手でつかめないものですが、季節の移ろいをよく伝えてくれます。
実際の自然は七十二候の言葉どおりに進むとは限りません。それでも「今日は風が違うかな」「ひぐらしが聞こえるかな」と問いを持つと、いつもの道が観察の場所になります。昔の言葉を正解として覚えるより、自分の住む場所の変化と比べてみるほうが、暦を身近に感じられます。
暑中見舞いから残暑見舞いへ
立秋は、季節のあいさつが切り替わる目安でもあります。日本郵便では、小暑から立秋の前日頃までに届く便りを「暑中見舞い」、立秋以降に届く便りを「残暑見舞い」と案内しています。
「秋なのに残暑」という言い方には、暦と体感のずれがそのまま表れています。秋を迎えたとはいえ、まだ暑さが残っている。相手の体調を気づかいながら、季節の境目を知らせる言葉です。
はがきを出す機会が少なくなった今なら、メールやチャットでも構いません。「立秋を迎えましたが、暑い日が続きますね。どうぞ無理なくお過ごしください」と一言添えるだけで、用件だけの文章がやわらかくなります。立秋は、自分の季節を感じるだけでなく、誰かの夏疲れを思いやる日にもできます。
立秋の日にしてみたいこと
祝日ではない立秋は、大きな行事を用意しなくても楽しめます。むしろ普段の生活を少し整える日に向いています。
- 朝か夕方に10分だけ歩き、風や虫の声を観察する
- 残暑見舞いや近況を伝える短いメッセージを送る
- 夏の疲れをためないよう、睡眠や水分補給を見直す
- 秋にやりたいことを三つだけメモする
- 防災用品や台風への備えを点検する
- 旬を迎える梨、ぶどう、いちじくなどを食卓に加える
まだ暑さは厳しいので、無理に屋外で秋探しをする必要はありません。熱中症への備えは夏と同じように続けましょう。窓から夕焼けを見る、スーパーの売り場で旬の移り変わりを眺める、といった室内でできることも立派な季節の楽しみ方です。
最後に、立秋をカレンダーへ書き込む
8月7日頃の欄に「立秋」と書き込み、その横へ自分に合う短い予定を一つ添えてみます。「朝の風を感じる」「残暑見舞いを送る」「秋の予定を考える」「夏の疲れを確認する」など、すぐ実行できる言葉がおすすめです。
立秋の日付は年によって動くため、翌年のカレンダーへ写すときは改めて確認します。家族の予定表なら「まだ熱中症に注意」と書き足してもよいでしょう。秋という字を見て暑さへの警戒を緩めず、暦の節目と健康管理を一緒に残しておくのが実用的です。
真夏の景色のなかにある秋は、意識しなければ通り過ぎてしまうほど小さなものです。カレンダーに「立秋」の二文字を置いたら、その日の風、空、音も一言だけ記録してみてください。来年読み返したとき、自分の暮らしのなかで季節がどう動いたのかが、きっと見えてきます。
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