こんにちは、やまなかです。

7月13日は、盆迎え火の日として紹介されることがあります。お盆に帰ってくる先祖の霊が迷わず家へ戻れるように、夕方、門口や玄関先で小さく火をたく風習です。

火をたくと聞くと、今の暮らしでは少し遠い行事に感じるかもしれません。マンションでは難しいですし、住宅地では火気の扱いにかなり気を使います。それでも「家の場所を知らせて、ようこそと迎える」という気持ちは、とてもわかりやすいものです。

今回は、7月13日の盆迎え火がどういう日なのか、由来や地域差、現代の暮らしでの受け止め方まで整理してみます。

盆迎え火の基本情報

日付
7月13日。地域によっては8月13日や旧暦に近い時期
読み方
ぼんむかえび、または迎え火
行事の位置づけ
お盆の入り、迎え盆に行う風習
目的
先祖の霊を迎えるため、家のありかを知らせること
よく使うもの
苧殻、焙烙、盆提灯、精霊馬など
対になる行事
お盆の終わりに行う送り火

盆迎え火は、先祖の霊を迎えるために野外で火をたく風習です。一般には、麻の茎の皮をはいだ**苧殻(おがら)**を焙烙(ほうろく)という素焼きの皿などにのせ、門口で燃やします。

ただし、やり方は地域や家、宗派によってかなり違います。玄関に盆提灯を下げて迎え火の代わりにする家もありますし、そもそも迎え火や送り火を行わない宗派もあります。大事なのは、形をひとつに決めつけることではなく、「迎える」という気持ちがどんな所作になってきたのかを知ることだと思います。

由来はお盆の「迎え盆」

お盆は、仏教行事の**盂蘭盆会(うらぼんえ)**に由来するとされます。盂蘭盆会は、目連尊者が苦しむ母を救うため、僧侶に供養をしたという故事と結びついて語られてきました。そこに日本の祖霊信仰や夏の年中行事が重なり、先祖を迎え、供養し、また送り出す行事として広がっていったと考えられています。

お盆の入りにあたる13日は、先祖の霊を家に迎える日です。迎え火は、その霊が迷わず戻ってこられるようにする目印とされます。浄土宗の案内でも、迎え火は帰ってくるご先祖さまが迷わないための目印、送り火はお浄土へ戻るのを見守るためのものとして紹介されています。

つまり盆迎え火は、単なる「火をつける行事」ではありません。久しぶりに家族を迎えるとき、玄関の明かりをつけて待つ感覚に少し似ています。夕方の薄暗さの中で火をともすことで、「ここがあなたの帰る場所ですよ」と知らせる。そう考えると、昔の人の気持ちが少し近く感じられます。

なぜ7月13日と8月13日があるのか

お盆の日付で混乱しやすいのが、7月盆と8月盆の違いです。もともとお盆は旧暦7月15日を中心に行われていました。明治以降に新暦へ移ったあと、新暦7月に行う地域と、月遅れの8月に行う地域が分かれました。

東京など一部の地域では7月13日から16日にお盆を行うことがあります。一方、全国的には8月13日から16日の月遅れ盆のほうがなじみ深い地域も多いです。農作業や帰省のしやすさ、地域の習慣が影響しているため、どちらが正しいというより、暮らしている土地の暦に合わせる行事と考えるのが自然です。

時期呼び方の例迎え火をする日特徴
7月13日から16日新盆、7月盆7月13日の夕方東京など都市部の一部で見られる
8月13日から16日月遅れ盆、8月盆8月13日の夕方全国的に広く行われる
旧暦に近い時期旧盆年によって変わる沖縄など地域の暦に根ざす

7月13日の盆迎え火をカレンダーに書くときは、「地域によっては8月」と一言添えておくと、家族や親戚との会話でもずれに気づきやすくなります。

迎え火に込められたもの

迎え火には、いくつかの意味が重なっています。

  • 先祖の霊が迷わないための目印にする
  • お盆の始まりを家族で意識する
  • 玄関や仏壇まわりを整え、迎える気持ちをつくる
  • 亡くなった人を思い出し、感謝する時間にする
  • 16日の送り火まで、家に迎えている期間を大切にする

苧殻を燃やすのは、煙にのって先祖の霊が帰ってくる、あるいは煙や火が道しるべになると考えられてきたためです。きゅうりの馬となすの牛を飾る精霊馬も、同じくお盆らしいしつらえです。きゅうりの馬は早く帰ってきてもらうため、なすの牛はゆっくり戻ってもらうため、という説明を聞いたことがある人も多いと思います。

個人的には、この「早く来て、帰りはゆっくり」という発想が好きです。亡くなった人をただ遠くへ置くのではなく、短い期間だけでも家に招き、同じ空気の中にいるように感じる。盆迎え火には、そんな家族の距離感が残っている気がします。

現代の暮らしで気をつけたいこと

昔ながらの迎え火は屋外で火を使います。今行うなら、地域の条例、住宅の規約、近隣への配慮、風の強さ、消火の準備を必ず確認したいところです。共同住宅や密集した住宅地では、無理に火をたかず、盆提灯やLEDの明かり、仏壇の灯明で迎える形でもよいと思います。

場所取り入れ方注意点
戸建ての玄関先焙烙に苧殻を少量のせて短時間だけ焚く水や消火具を用意し、風の強い日は避ける
マンション盆提灯やLEDろうそくで明かりをともすベランダや共用部で火を使わない
実家に帰省する場合家族のやり方を聞いて一緒に準備する地域の慣習を尊重する
火を使わない家庭写真、花、お供えを整えて手を合わせる形より気持ちを大切にする

迎え火は、派手に燃やすものではありません。小さな火を静かに見つめる時間です。安全にできない環境なら、無理をしないことも、今の時代の大事な作法だと思います。

前日までに準備しておくと楽なこと

盆迎え火は夕方に行うことが多いので、当日に一から準備すると慌ただしくなります。前日までに、仏壇や棚のほこりを払う、花やお供えを用意する、盆提灯を出す、家族の予定を確認する、というところまで済ませておくと落ち着いて迎えられます。

火を使う家なら、苧殻や焙烙だけでなく、火ばさみ、水を入れたバケツ、燃え残りを片づける道具も一緒に確認しておきたいです。小さな子どもがいる家では、火のそばに近づかない位置を先に決めておくと安心です。

火を使わない家でも、準備することはあります。写真を拭く、好きだった食べ物を一品供える、提灯や小さな照明を玄関近くに置く、家族で手を合わせる時間を決める。こうした小さな支度だけでも、「迎える日」という感覚は十分に生まれます。

盆迎え火をカレンダーに残す

7月13日の欄には、「盆迎え火。先祖の霊を迎える明かりをともす」と書き込んでみます。

余白があれば、「仏壇まわりを整える」「盆提灯を出す」「家族に地域のやり方を聞く」など、実際の行動も一つだけ添えておくと便利です。火をたく家なら安全確認を、火を使わない家なら明かりや花の準備をメモしておくと、当日になって慌てません。

盆迎え火は、先祖の霊を迎えるために野外で火をたく風習として伝わってきました。でも、カレンダーに書くときは「火」そのものより、誰かを迎えるために家を整える日、と受け止めると暮らしに取り入れやすくなります。

夕方に小さな明かりをともして、手を合わせる。亡くなった人の名前を思い出す。家族と昔の話をする。それだけでも、7月13日はただの日付ではなく、家の記憶に触れる一日になります。

翌年の自分に向けて、迎え方や家族から聞いた話を一言残しておくのもおすすめです。毎年同じ行事でも、集まる人や思い出す顔は少しずつ変わります。その変化まで書き留めると、カレンダーは小さな家族史になります。

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