こんにちは、やまなかです。

6月14日は「認知症予防の日」です。名前を見て、「何をすれば予防になるのだろう」「認知症にならない方法があるのだろうか」と思う人もいるかもしれません。

この日は、特別な健康法を始めたり、認知症を怖がったりするための日ではありません。認知症と予防について正しく知り、運動、食事、人との交流、健康管理など、毎日の暮らしを見直すきっかけにする日です。由来から順に、わかりやすく紹介します。

認知症予防の日の基本情報

日付
6月14日
記念日
認知症予防の日
制定
日本認知症予防学会
由来
アロイス・アルツハイマー博士の誕生日
目的
認知症予防の大切さを広く伝え、正しい理解と実践につなげること

なぜ6月14日?記念日の由来

6月14日は、ドイツの医師アロイス・アルツハイマー博士が1864年に生まれた日です。博士は、後に「アルツハイマー病」と呼ばれる病気の症例を報告した人物として知られています。

この誕生日にちなみ、日本認知症予防学会が6月14日を「認知症予防の日」に制定しました。認知症予防を正しく知り、その重要性を理解して、実際の行動につなげてもらうことが目的です。2017年には日本記念日協会に認定・登録されました。

日本認知症予防学会は、認知症予防に関する科学的研究を進め、その成果を社会に還元することを目的とする学術団体です。学会が考える「予防」は、発症前だけに限りません。

段階学会が示す考え方
第一次予防認知症の発症予防
第二次予防早期発見・早期治療・早期対応
第三次予防認知症の進行予防

つまり、健康なときの生活習慣だけでなく、変化に早く気づくことや、診断後に適切な支援を受けながら暮らすことまで含む、幅広い考え方なのです。

「予防」は、絶対にならないという意味ではない

認知症は、記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活に支障が生じる状態の総称です。アルツハイマー病のほか、脳血管障害など、さまざまな病気や原因が関係します。

ここで大切なのは、「これをすれば認知症にならない」という確実な方法があるわけではないことです。厚生労働省は、認知症施策における「予防」を「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味で説明しています。

年齢は大きなリスク要因ですが、認知症は誰もが年齢とともに必ずなるものでもありません。本人の努力だけに責任を求めず、正しい知識、医療や介護への相談、認知症があっても暮らしやすい地域づくりを一緒に考えることが必要です。

6月14日に見直したい5つのこと

世界保健機関(WHO)は、身体活動、禁煙、過度な飲酒を避けること、健康的な食事、体重や血圧・血糖・コレステロールの管理などを、認知機能低下や認知症のリスク低減につながる要素として挙げています。まずは無理なく続けられることから始めましょう。

  • 体を動かす:散歩や家事など、日常の中で動く時間をつくる
  • 食生活を整える:特定の食品だけに頼らず、主食・主菜・副菜を意識する
  • 人とつながる:家族や友人との会話、趣味や地域活動への参加を楽しむ
  • 生活習慣病を管理する:健診を受け、血圧や血糖などを確認する
  • 気になる変化を相談する:もの忘れや生活上の困りごとを抱え込まず、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談する
今日できることカレンダーに書くなら
いつもより少し歩く夕方に20分散歩
家族や友人に連絡する○○さんに電話
健診結果や受診予定を確認する健診の予約を確認

「共生」と「予防」を一緒に考える

認知症施策では、認知症の人が尊厳と希望を持って暮らせる社会をつくる「共生」と、発症や進行を遅らせる可能性を考える「予防」が並べて扱われます。予防という言葉だけが強くなると、認知症になった人を努力不足と見る誤解につながります。年齢や遺伝、病気など多くの要因が関係し、本人の生活だけで結果を完全に決めることはできません。

WHOの資料でも、身体活動、喫煙、飲酒、食事、社会的孤立などとの関連が示される一方、すべての認知症を確実に防ぐ方法があるとは説明されていません。一般的な健康管理は大切ですが、特定の食品やサプリメントだけで認知症を防げると断定する情報には注意が必要です。

本人の違和感と家族の気づき

物忘れは加齢でも起こります。どこからが病気かを、簡単なチェックリストの点数だけで本人や家族が診断することはできません。生活上の困りごとが続く、急な変化がある、服薬や金銭管理に支障が出るなど気になることがあれば、かかりつけ医や自治体の相談窓口へ連絡できます。

本人へ「認知症に違いない」と迫ると、相談から遠ざかる場合があります。まず困っている場面を具体的に聞き、視力・聴力、睡眠、薬の影響など別の原因も含めて専門家に相談します。緊急性のある急な意識変化などは、記念日や予約日を待たず医療機関へつないでください。

支援先を平時に調べる

地域包括支援センター、自治体の認知症相談、認知症疾患医療センターなど、名称と仕組みは地域で異なります。元気なうちに連絡先を確認し、介護保険、成年後見、仕事との両立支援など、必要になり得る制度の入口を知っておくと慌てにくくなります。

家族だけで抱えず、本人の意思を尊重しながら専門職や当事者団体へ相談することが重要です。徘徊、運転、金銭管理といった難しい課題も、一律に自由を奪うのではなく、安全と本人の希望をどう両立するかを個別に考えます。

言葉の更新にも目を向ける

認知症をめぐる法律、施策、相談先の名称は更新されます。過去の「認知症施策推進大綱」だけで現在の制度を説明せず、厚生労働省や自治体の最新ページで施行日と対象を確認します。記事の確認日を示すのは、この変化を追えるようにするためです。

「徘徊」のように、本人の行動を否定的に見せるとして言い換えが検討される言葉もあります。道に迷う背景や目的を聞かず一語で片づけないことが、具体的な支援につながります。

研究結果を生活へ当てはめる前に

認知症リスクに関する研究は、集団全体の傾向を示すものと、個人への治療効果を示すものが異なります。観察研究で関連が見つかっても、それだけで原因と結果が確定するわけではありません。対象人数、年齢、追跡期間、研究方法を確認します。

研究ニュースの「何%低下」という見出しは、元の発生率や絶対数も見ます。自分の診断や薬の判断には使わず、医療専門家へ相談するための質問として扱います。

当事者の声を資料として読む

制度や医学の資料に加え、認知症の本人が書いた文章や講演から、診断後の暮らし、困る支援、続けたい仕事を知ることができます。一人の経験をすべての人へ当てはめず、複数の声を聞きます。

支援を考える場に本人がいないまま、家族や専門職だけで決定しないことも重要です。理解や意思表示の方法に時間が必要でも、選択肢を分かりやすく示し、本人の希望を確かめます。

今日、名前で呼ぶ

認知症予防の日に健康習慣を振り返るのはよいことです。それと同じくらい、認知症の人を病名だけで語らず、これまでの生活や好みを持つ一人として接することが大切だと思います。

食事と運動を一つ整え、気になる変化は専門家へ相談し、近くの人をいつもの名前で呼ぶ。6月14日にできることは、未来の病気を恐れるだけではありません。誰もが変化の中でも暮らし続けられる関係を、今日の会話から作ることです。